
シニア犬に必要な、“やさしい変化”
– 年齢とともに見直したい、おやつの選び方 –
「シニア期」と聞くと、ちょっと先のことのように思えるかもしれません。
けれど、犬の体は人間よりもずっと早く歳を重ねていきます。
一般的に、小型犬で7歳ごろ、中型〜大型犬では6歳ごろからがシニア期とされています。
年齢だけでなく、以下のような変化が見られたときも、
体の中では“次のステージ”への切り替わりが進んでいるサインかもしれません。
シニア期に見られる主な変化
- 歯やあごの力が弱くなり、固いものを噛みにくくなる
- 消化機能がゆるやかになり、脂質や添加物の影響を受けやすくなる
- 視力・聴力の低下により、反応がゆっくりになる
- 筋肉量が減り、散歩の距離や時間が短くなる
- 食欲のムラや、好き嫌いの変化が出てくる
こうした変化に気づいたとき、
おやつも「若い頃と同じもの」でいいのかな?と、
一度立ち止まって考えるタイミングかもしれません。
実は、シニア期だからこそ「おやつタイム」の持つ意味は特別です。
活動量が減っていく中で、おやつを通したコミュニケーションは、
愛犬との絆をさらに深める大切な時間になります。
シニア犬のおやつ選び、3つのポイント
- 噛みやすさ:歯が弱っても食べられる、薄く・小さく・やわらかいおやつが理想です。
- 消化へのやさしさ:余計な添加物のない、シンプルな素材のおやつを選ぶことで、胃腸の負担を減らせます。
- 香りと風味:香ばしさや出汁感など、「においで食欲を刺激する」要素も大事。
飼い主さんに聞いた!人気の“やさしいおやつ”たち
-
ほぐしタラ:やわらかく、香りが立ちやすい。お湯でふやかせばさらに食べやすく。
「15歳のトイプードルも、これだけは喜んで食べます」
-
馬肉チップ:薄くてかみやすい。高たんぱく・低脂肪で、アレルギーが気になる子にも◎
「食が細くなった柴犬が、これならパクパク食べてくれます」
-
マグロふりかけ:出汁のような香りで、食欲を刺激。トッピングにもおすすめ。
「食いつきがよく、袋を見るだけで大興奮!」
-
やぎミルクボーロ:小粒で飲み込みやすく、シニア期のごほうびにもぴったり。
「歯が少なくなった愛犬にも安心して与えられます」
おやつの与え方も見直してみませんか?
シニア期は消化にかかる時間も変わってきます。
少量を複数回に分けて与えるのがおすすめです。
また、「おやつ=愛情表現」と考えがちですが、カロリーオーバーには注意が必要。
基礎代謝も下がるため、一日のおやつ量は総カロリーの10%を目安にしましょう。
シニア期だからこその魅力
シニア期は、決して「衰え」ではなく、“その子らしさ”がより深まる大切な時間です。
ゆっくりとした散歩も、静かに寄り添う時間も、
かけがえのない思い出として心に残っていくものです。
おやつは、日々の中で小さなよろこびを感じられる瞬間のひとつ。
だからこそ、「今のその子にちょうどいいやさしさ」を、選んであげられるとうれしいですね。