シニア犬が呼んでも来ないのはなぜ?加齢で起こる4つの変化と向き合い方

シニア犬が呼んでも来ないのはなぜ?加齢で起こる4つの変化と向き合い方

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この記事の結論

シニア犬が呼んでも来なくなるのは、加齢によって「聞こえにくくなる」「気づくまでに時間がかかる」「反応するまでに時間がかかる」「体が思うように動かない」という4つの変化が起きているためです。変化の出方には大きな個体差があり、急な変化は病気の可能性もあるため獣医師への相談が必要です。

名前を呼んでも、来ない。
前は飛んできたのに、顔を上げるだけ。

シニア期を迎えた愛犬と暮らしていると、ふとこんな瞬間があります。

でもその多くは気持ちの問題ではなく、体の中で静かに起きている変化が理由です。

 

犬は何歳からシニア期に入る?

 

一般的な目安として、小型犬・中型犬は7歳前後、大型犬は5〜6歳前後からシニア期とされます。体の大きい犬ほど、シニア期に入るのが早いのが特徴です。

ただしこれはあくまで目安です。7歳を過ぎても若い頃と変わらない子もいれば、6歳台から変化が見え始める子もいます。

年齢よりも、その子の様子の変化のほうが確かなサインになります。

 

なぜ呼んでも来なくなるの?

 

聞こえていないか、気づくまでに時間がかかっているか、体が動かないかのいずれかです。犬の側に「行かない理由」があるのではなく、届く・気づく・動くのどこかに時間や負担がかかっている状態です。

具体的には、次の4つの変化が関係しています。

 

① 感覚器の変化:音や光が届きにくくなる

視覚や聴覚が衰えると、外から入ってくる刺激や情報そのものが減ります。

  • 目が見えにくくなる
  • 耳が聞こえにくくなる
  • 音がしても、そちらを振り向かなくなる

呼んでも来ないのは、そもそも声が届いていないのかもしれません

 

② 認知機能の変化:気づくまでに時間がかかる

神経伝達系や脳神経が変化すると、刺激や状況を認識するまでの時間が長くなります。

音は届いている。けれど「呼ばれた」と気づくまでに、少し時間がかかる

前より一拍遅れて振り向くようになったなら、この変化が起きている可能性があります。

 

③ 脳機能の変化:反応するまでに時間がかかる

認識したあと、その情報を処理して行動に移すまでの能力も変化します。

指示への反応が鈍く見えるとき、理解していないのではなく、処理に時間がかかっているだけということもあります。

 

④ 身体機能の変化:動きたいのに動けない

筋骨格系、神経系、消化器系、泌尿器系、内分泌系。体のさまざまな機能が少しずつ衰えていきます。

  • 刺激に反応しても、体が思うように動かない
  • トイレに行きたいのに、間に合わない

粗相が増えたとき、それはしつけの問題ではなく、体が追いつかなくなったサインかもしれません。

 

シニア犬にどう接すればいい?

人の感覚ではなく、その子の目線に合わせるのが基本です。人間の立場や目線から変化に対応しようとすると、その子にとっては負担になるお世話になってしまうことがあります。

日常でできることの例です。

  • 聞こえにくい子には、声だけでなく視界に入ってから合図を送る
  • 驚かせないよう、後ろからではなく前から近づく
  • 動きがゆっくりな子には、待つ時間を長めにとる
  • 段差や滑る床を減らし、動線をシンプルにする
  • 家具の配置を頻繁に変えない

その子の目線に置きかえてみると、してあげられることが見えてきます。

 

変化のスピードは、その子それぞれ

 

ここで挙げた変化は、すべての犬に同じように現れるわけではありません。出方も順番もスピードも、個体差が非常に大きいものです。

同じ年齢の子と比べて焦る必要はありません。見るべきなのは、目の前のその子の「今日」です。

 

食事の変化にも、サインが出ることがある

体の変化は、食べる様子にもあらわれます。

  • 食べる勢いがゆっくりになった
  • 硬いものを残すようになった
  • においの弱いものへの反応が薄くなった

そんなときは、粒の大きさやかたさ、香りの立ち方を見直してみるタイミングかもしれません。

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病院に相談したほうがいいのはどんなとき?

変化が数日から数週間の単位で急に進んだ場合は、加齢ではなく病気が背景にある可能性があります。

こんなときは早めに受診してください。

  • 急に見えなくなった、目が白く濁ってきた
  • 昼夜が逆転した、同じ場所をぐるぐる回る
  • 水を飲む量やおしっこの量が明らかに増えた
  • 体重が急に減った、または増えた
  • 立ち上がるのをためらう、足を引きずる

白内障、難聴、変形性関節症、認知機能不全症候群、内分泌系の病気など、加齢による自然な変化と見分けがつきにくい状態はいくつもあります。

「歳のせい」で片づけないことが、その子を守ることにつながります。

 

よくある質問

 

犬は何歳からシニア犬ですか?

一般的な目安は、小型犬・中型犬で7歳前後、大型犬で5〜6歳前後です。体が大きい犬ほど早くシニア期を迎えます。ただし個体差が大きいため、年齢だけでなく日々の様子の変化で判断することが大切です。

老犬が名前を呼んでも反応しないのはなぜですか?

聴力の低下で声が届いていない、刺激に気づくまでの時間が延びている、気づいても体が動かせない、のいずれかが考えられます。無視やわがままではなく、加齢にともなう体の変化が原因であることがほとんどです。

シニアになって粗相が増えました。しつけ直すべきですか?

しつけの問題ではない可能性が高いです。トイレに行きたいと認識しても、体が思うように動かず間に合わないことがあります。トイレの数を増やす、寝床の近くに置くなど環境側で調整してください。飲水量や排尿量が急に増えた場合は病気の可能性があるため受診を検討してください。

加齢による変化と病気を見分ける方法はありますか?

見た目だけで区別するのは難しく、判断には獣医師の診察が必要です。目安として、数ヶ月から数年かけてゆるやかに進むものは加齢による変化、数日から数週間で急に進むものは病気の可能性が高いと考えられます。

シニア犬との接し方で気をつけることは?

人間の感覚で判断せず、その子の目線に立つことです。視界に入ってから声をかける、驚かせない、待つ時間を長くとる、段差や滑る床を減らすなど、環境と接し方の両方を調整します。

シニア犬のおやつはどう選べばいいですか?

食べやすさを基準に選びます。粒の大きさ、かたさ、香りの立ち方を見直し、その子が今どれなら食べやすいかを確認してください。持病がある場合は、与える前にかかりつけの獣医師に相談してください。

 

まとめ

  • 呼んでも来ないのは、声が届いていないのかもしれない
  • 反応が遅いのは、気づく・処理する時間が延びているのかもしれない
  • 粗相は、体が追いつかなくなったサインかもしれない
  • 人の感覚ではなく、その子の目線で見る
  • 変化のスピードには大きな個体差がある
  • 急な変化は病気の可能性があるため、獣医師に相談する

昨日までできていたことが、今日は少し難しくなる。
それでも、いっしょに過ごす時間の価値は変わりません。

この記事を書いた人

ほし|わたしいぬ×わたしねこライフ

  • ホリスティックケア・カウンセラー
  • 一般社団法人日本アニマルウェルネス協会認定「シニアペット介護&ケアコース」修了

犬猫の無添加おやつ専門店を運営。愛犬「なっちゃん」と暮らしています。

参考:一般社団法人日本アニマルウェルネス協会「シニアペット介護&ケアコース」テキスト
※本記事は上記講座で学んだ内容をもとに運営者が執筆したものです。診断や治療の判断は獣医師にご相談ください。

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